このプロジェクトは2022年8月をもって終了しました。
This project has ended as of August, 2022.
日本語教育グローバルネットワーク(GN)には、日本語教育の研究・教育の交流と促進を目的に、世界12の国・地域の学協会が参加しています。GNプロジェクトは、加盟団体のうち2団体以上が参画するプロジェクトで、日本語教育グローバルネットワークによる承認を受け、遂行されています。
CAJLEは2015年まで「日本語教育アーティキュレーション・プロジェクト(J-GAP)」に参加し、2016年より「日本社会におけるトランスランゲージングの促進」プロジェクトを計画、実施しました。
プロジェクトのウェブサイトProject’s Webpage
セカイの日本語〜みんなの声〜
中間報告(2018年12月)
ワークショップ報告(オタワ・カナダ/2019年4月)
ワークショップ報告(トロント・カナダ/2019年5月)
ワークショップ報告(バンクーバー・カナダ/2019年8月)
ワークショップ報告(ベオグラード・セルビア/2019年8月)
チームTeam
カナダ日本語教育振興会
米本和弘(東京医科歯科大学)
柴田智子(プリンストン大学)
川口真代(トロント大学)
津田麻美(コロンビア大学)
林寿子(サイモンフレーザー大学)
ヨーロッパ日本語教師会
岩﨑典子(ロンドン大学アジア・アフリカ学院)
マルチェッラ・マリオッティ(ヴェネツィア・カフォスカリ大学)
豪州日本研究学会(2016-2017)
尾辻恵美(シドニー工科大学)
中根育子(メルボルン大学)
プロジェクトの目的 Project Overview
本プロジェクトの目的は日本語によるコミュニケーションについて、これまで当たり前に捉えられて
きた母語話者(日本語を母語とする人)を中心とした一元的な言語観に疑問を投げかけ、多様な日本語を認める言語観を育成・促進することにあります。多様な日本語の話者には様々な地域、文化圏で日本語を学んだ日本語学習者も含まれます。これらの多言語話者である日本語使用者にとって、日本語は多様な言語活動の一環であり、彼らが総合的に持っている「言語」自体でもあります (García, 2009)。
こうした多言語話者の言語使用と言語観について理解を深めるためには、単に多言語化を意識することに留まらず、日本語によるコミュニケーションを社会一般においてより広義に認識することにつなげて行くことが必要です。また、こうした多言語話者を含めた日本語使用者それぞれが主体的に発信すること(活動としてのトランスランゲージング)を促進していくことは、言語・文化的な差異に対応できる寛容性を持った社会環境の構築に寄与できると考えています。

リソースの作成Resource Development本プロジェクトでは、多様な日本語を認める言語観を育成・促進するという目的に則り、そのためのリソース、およびその使用例を作成しています。多様な日本語話者に対してのインタビュー目的:多様な言語観や言語使用について理解ができるよう可視化すること
対象:国内外の留学生、地域在住の非母語話者(ビジネス、在住者)、非母語話者と接触のある母語話者など
内容:日本語の学習歴・使用環境、日本語使用に対する考えや経験などインタビューをもとにしたウェブサイトの作成
「セカイの日本語〜みんなの声〜」(仮)
・リソースページ(各話者のストーリーの再構築+短い動画クリップ数本)リソースの使用例(日本国内と海外の教育・研修現場などを想定)
・プロジェクトの背景やコンセプトの解説(言語教育、応用言語学など)
- ワークショップ
- 「『セカイの日本語 〜みんなの声〜』日本語使用者の言語と経験の多様性に対する理解促進のためのリソースを使ってみよう」2019年4月7日,カールトン大学,オタワ(林寿子)
- 「『セカイの日本語 〜みんなの声〜』日本語使用者の言語と経験の多様性に対する理解促進のためのリソースを使ってみよう」2019年5月12日,The Japan Foundation, Totonro,トロント(川口真代)
- 「『セカイの日本語 〜みんなの声〜』日本語使用者の言語と経験の多様性に対する理解促進のためのリソースを使ってみよう」2019年8月9日,バンクーバー日本語学校,バンクーバー(米本和弘・川口真代)
- 「『セカイの日本語 〜みんなの声〜』日本語使用者の言語と経験の多様性に対する理解促進のためのリソースを使ってみよう」2019年12月21日,東京医科歯科大学,東京(津田麻美・柴田智子・米本和弘)
2.発表
- 米本和弘・柴田智子・津田麻美・林寿子(2017)「多様性を意識した日本語と話者に対する理解が目指すもの-World Japanesesの議論をもとに-」カナダ日本語教育振興会2017年年次大会,カルガリー
- 米本和弘(2019)「日本語話者はどのような経験をし、何を語るか—日本語話者の多様性理解のためのリソース開発の試み—」日本外国語教育推進機構(JACTFL)第7回シンポジウム,東京
- 柴田智子・米本和弘(2019)「日本語と日本語話者の多様性とは何か—言語と話者の多様性に対する理解の育成—」第23回ヨーロッパ日本語教師会日本語教育シンポジウム
3.出版
- 米本和弘・柴田智子・津田麻美・林寿子(2017)「多様性を意識した日本語と話者に対する理解が目指すもの-World Japanesesの議論をもとに-」『カナダ日本語教育振興会2017年年次大会プロシーディングス』305-311 [PDF]
- 柴田智子・米本和弘(2019)「日本語と日本語話者の多様性とは何か—言語と話者の多様性に対する理解の育成—」『ヨーロッパ日本語教育』24,661-663 [PDF]
4.報告
- 米本和弘・柴田智子・川口真代・津田麻美・林寿子(2017)「多様な日本語使用者の言語と経験に対する理解促進のためのリソースの開発について」カナダ日本語教育振興会2018年年次大会,ロンドン・オンタリオ
- 米本和弘・柴田智子(2018)「多様な日本語使用者の言語と経験に対する理解促進を目的としたウェブサイトの開発」(GNプロジェクト報告パネル),日本語教育国際研究大会,ベネチア